どんぐり山(春)
田んぼの中に「どんぐり山」と私たちが呼んでいた山がある。山と云うよりは周囲50m位の、高さ10m位の丘であった。 ちょうど、どんぐりの実の帽子を取ってそれをかぶせたような形である。山には「しの竹」が密生していて、杉の木と…
田んぼの中に「どんぐり山」と私たちが呼んでいた山がある。山と云うよりは周囲50m位の、高さ10m位の丘であった。 ちょうど、どんぐりの実の帽子を取ってそれをかぶせたような形である。山には「しの竹」が密生していて、杉の木と…
昭和30年頃」、ちょうど、「となりのトトロ」の舞台となった年代である。いつもみるたびに、私の脳裏に焼き付いている風景が小間切れフイルム のように甦ってくる。 少し大きめのよれよれのランニングシャツ、だぶだぶの半ズボン、お…
3月のはじめ、私のお気に入りの山に入った。「おにぎり」二つと、熱いお茶の入った「サーモス」、そして少しばかりの「酒」をデイパックに突っ込む。山といっても高い丘のような所で、全体が雑木で覆われている。 私は、簡単な足拵えを…
「あの八重桜、どうしたかなぁ~。」「丁度今頃、咲き始めるんだよなぁ~。」そんなことを呟き、五月の風を受けながら車を走らせる。 周りの山々は淡い緑と言うよりも白に近い芽吹き色に輝き、斑に見える黒木山と眩しいくらいのコントラ…
自分の殻に「じぃ-っ」と閉じこもり長かった「冬」からの脱皮。なにもかもが歓喜にあふれ、躍動の季節の訪れである。「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 私の心は、早春の岸辺の枯れ葦の中にいる。「そぉ-っ」と竿を出す。…
半世紀以上前(昭和30年後半)の田植えの想い出。今では田植えも田植え機械で植える時代。この頃は、部落中の数人の大人の女性の手を借りて一植、一植手で植えていた。私が中学生の頃の田植えの想い出です。 父と母は耕耘機に乗って先…
夕刻より、雨が雪に変わった。 昨日まで、五月下旬の陽気であった。 庭の白い木蓮は、樹一杯に白い花を着け、青空に眩しいほどに輝いていた。 いつもは、庭にある枝垂れ桜が花をつける頃、桜も開花するのだが、今年は桜の方が早かった…
勇壮で迫力のある”岩戸の舞”を演じ終えたみっちゃんの父ちゃんは舞台の中央に立ち、激しい演技の為か肩で大きく息をして呼吸を整えている。タジカラオノミコトの面を付けた顔の顎からは汗が滴り落ちていた。第…
”トッピィ~ヒャラリィ~、トッピィヒャロ””シャーン、シャシャ、シャーン””ドーン、ドド、ドーン”拝殿では太々神楽が既に始まっていた。神々を崇める笛や太鼓、鈴の音色が入り乱れ、鎮守の杜はその賑わいにすっぽりと包み込まれて…
今年は例年になく、遅い梅と早い桜の開花がほぼ一緒となり、三月下旬ごろから両方の花を一緒に楽しむ事が出来た。この時期外れの現象は、今地球規模で問題となっているCo2ガスによる地球温暖化現象の一つの現れなのかもしれない。いわ…